コンドーム/ラテックスアレルギーによる性交痛の原因や症状、予防や対策を女医が丁寧に解説。
更新日:2024.06.18
聞いたことがありますか?
ラテックスアレルギーという言葉。
性行為中や性行為後に感じるデリケートゾーンの違和感や痛み
その性交痛は、ラテックス製のコンドームが原因かもしれません。
性行為中に使用されるコンドームがラテックス製である場合に、性交痛を引き起こす可能性があります。
コンドームは膣に密着、粘膜に接することから、ラテックスアレルギーが発症すると、痒み、発疹、蕁麻疹、時には呼吸苦にまでおよぶことがあります。
性交痛、特にコンドーム使用時の疼痛や粘膜浮腫などが生じる場合、ラテックスフリー素材のコンドームをお勧めいたします。
ラテックスアレルギーとは
天然ゴムラテックスに含まれるたんぱく質に対するアレルギー反応のことです。
ラテックスで一番身近なものは、キッチンで使用するゴム手袋、そしてコンドーム。
さまざまな日用品や医療製品に使用されています。ラテックスアレルギーの方がこれらの製品に接触すると、免疫系が過剰に反応し、さまざまな症状を引き起こします。
ラテックスアレルギーの症状
ラテックスアレルギーの症状は、接触したり吸入したりすることによって引き起こされることがあります。症状の重さは個人によって異なり、以下のようなものがあります。
軽度の症状
皮膚の発疹、かゆみ、発赤(接触性皮膚炎)
中等度の症状
くしゃみ、鼻水、目のかゆみ、目の充血(アレルギー性鼻炎や結膜炎)
重度の症状
喉の腫れ、呼吸困難、喘息症状、アナフィラキシー(急性の全身反応)
ゴム(ラテックス)アレルギーによる性交痛の症状
外陰部や膣のかゆみ
性行為中または後に、外陰部や膣のかゆみが生じることがあります。
発疹や紅斑
性行為後に、外陰部や膣に発疹や紅斑が現れることがあります。
腫れ
外陰部や膣が腫れることがあります。
痛みや不快感
性行為中に痛みや不快感を感じることがあります。
ラテックスアレルギーの予防と対策
ラテックスアレルギーを持つ人は、ラテックス製品との接触を避けることが最も重要です。
ラテックスフリーのコンドームを使用
ポリウレタンやポリイソプレンなどのラテックスを使用していないコンドームを使用しましょう。
潤滑剤
一部の潤滑剤にはラテックスが含まれている場合があるため、ラテックスフリーの潤滑剤を選ぶことが重要です。また、香料や着色料が含まれていない低刺激性のものを選ぶと良いでしょう。
医療専門家への相談
ラテックスアレルギーが疑われる場合は、医療機関に相談し、適切な診断とアドバイスを受けることが重要です。ラテックスアレルギーは血液検査で診断できます。
急性期の対応
急性期にはステロイドホルモン治療も有効ですので、心配あればいつでもクリニックにご受診ください。血液検査で、ラテックスアレルギーの検査も可能です。
医療で使用する使い捨てゴム手袋もラテックス製が多く、医療従事者にラテックスアレルギーが多いことが知られております。
特に医療従事者の方はお気をつけ下さい。海老根ウィメンズクリニックでは、ゴムは全てラテックスフリーを使用しております。
白金高輪海老根ウィメンズクリニック院長
海老根 真由美(えびね まゆみ)
産婦人科医師・医学博士
埼玉医科大学総合医療センター総合周産期母子医療センターでの講師および病棟医長の経験を積み、その後、順天堂大学で非常勤准教授として活躍。
2013年に白金高輪海老根ウィメンズクリニックを開院。
女性の人生の様々な段階に寄り添い、産前産後のカウンセリングや母親学級、母乳相談など多岐にわたる取り組みを行っています。更年期に起因する悩みにも対応し、デリケートなトラブルにも手厚いケアを提供しています。