海藻が日本人の健康を支えてきた理由
更新日:2026.06.18
高木屋さんは、日本で初めて有機藻類認証を取得した会社として知られています。
私は産婦人科医として日々女性の健康に向き合っていますが、改めて海藻という食材の素晴らしさを実感しています。海藻は低カロリーでありながら、ミネラルや食物繊維が豊富な食品です。しかし、その価値は単なる「ヘルシー食品」という言葉だけでは語り尽くせません。
近年の研究によって、海藻に多く含まれる水溶性食物繊維が、私たちの健康に非常に重要な役割を果たしていることがわかってきました。
水溶性食物繊維は、人間の消化酵素では分解されにくく、そのまま大腸まで届きます。そして、大腸に住む腸内細菌たちのエサとなります。
すると腸内細菌は、その食物繊維を発酵させて「短鎖脂肪酸」と呼ばれる物質を作り出します。
この短鎖脂肪酸こそが、近年大きな注目を集めている健康維持の鍵です。
短鎖脂肪酸には、
- 腸の粘膜を守る
- 腸のバリア機能を維持する
- 便通を改善する
- 免疫機能を整える
- 血糖や脂質代謝をサポートする
といった働きがあることが知られています。
つまり、
「海藻を食べる」
↓
「腸内細菌が元気になる」
↓
「短鎖脂肪酸が増える」
↓
「腸が健康になる」
という流れが生まれるのです。
私は婦人科診療の中で、腸内環境と女性の健康は深く関係していると感じています。また、セロトニンの多くは腸で作られているともいわれており、腸の健康は心の安定や幸福感にも関わる重要な要素です。
便秘に悩む方は少なくありませんし、更年期になると腸内環境が変化しやすくなります。また、最近注目されている腟内フローラと腸内細菌叢にも、密接な関係があることがわかってきています。
女性の健康を考えるとき、ホルモンだけでなく「細菌との共生」という視点がとても重要になってきています。
私たち日本人は、昔から海藻を食べてきました。
わかめのお味噌汁、ひじきの煮物、昆布だし。最近では、わかめのアヒージョやわかめのペペロンチーノも、おいしくいただいております。
これらは単なる伝統食ではなく、私たちの腸内細菌を育て、健康を支えてきた知恵だったのかもしれません。
毎日たくさん食べる必要はありません。お味噌汁に少しわかめを入れる。お浸しに混ぜる。わかめご飯にする。海藻サラダを一皿添える。そんな小さな習慣が、未来の健康につながります。
医食同源という言葉があります。
薬だけでなく、毎日の食事こそが健康の土台です。
海藻という日本のスーパーフードを、ぜひ日々の食卓に取り入れていただければと思います。
2026年6月開催 無料WEBセミナーのご案内
白金高輪海老根ウィメンズクリニック院長
海老根 真由美(えびね まゆみ)
産婦人科医師・医学博士
埼玉医科大学総合医療センター総合周産期母子医療センターでの講師および病棟医長の経験を積み、その後、順天堂大学で非常勤准教授として活躍。
2013年に白金高輪海老根ウィメンズクリニックを開院。
女性の人生の様々な段階に寄り添い、産前産後のカウンセリングや母親学級、母乳相談など多岐にわたる取り組みを行っています。更年期に起因する悩みにも対応し、デリケートなトラブルにも手厚いケアを提供しています。



