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ピル

ピルを使った月経移動の方法・疑問・副作用・メリットデメリットを女医が丁寧に解説!

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ピルを使えば、月経周期を安定させるだけでなく、月経予定日をずらすこともできます。
ご旅行や受験、結婚式など、 月経が重なってほしくないイベントを控えている方は、月経移動を考えてみませんか?  

2分でわかる!「ピルを使った初めての月経移動」

動画ではイラストを使用してわかりやすく解説!ブログ記事と合わせてご覧ください。

月経移動の仕組み

女性ホルモン-月経周期 月経は、エストロゲン・プロゲステロンの2つの女性ホルモンによって調整されています。
それぞれ分泌量に波があり、卵胞期・排卵期・黄体期・月経と月経周期を作り出します。

黄体期の後半で、エストロゲン・プロゲステロンの2つの分泌量が同時に下がったことを体が感知すると、月経が始まるという仕組みです。 月経移動には、「エストロゲン・プロゲステロン配合薬」、中用量ピルと呼ばれる薬を使います。

中用量ピルを服用すると、擬似的に黄体期のようなホルモン状態を作ることができます。
服用をやめれば「2つのホルモン分泌量が同時に下がる」という状態になるため、月経を起こすことができるわけです。

月経移動の方法と注意点

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では、実際に月経移動をおこなう際の方法と注意点を解説いたします。

月経移動のためのピルの服用方法

①月経を遅らせたい場合

月経を遅らせる方が比較的成功率が高いので、おすすめしております。
月経を予定よりも遅らせる場合には、月経開始予定日の3〜5日ほど前から薬の服用を始めます。
月経を避けたいイベントの1〜2日前まで服用してください。服用をやめると、数日で月経が始まります。
2週間以上遅らせるのは難しいです。  

月経を遅らせるメリット

  • 不正出血が起こることは少ないです。
 

月経を遅らせるデメリット

  • 内服後の月経は、経血量が多いことがあります。
  • 服用中に頭痛や吐き気などの副作用が起こってしまうと、イベントの日につらいかもしれません。
  • ニキビが出る方もいらっしゃいますので、結婚式などのお肌のコンディションが気になる場合は、1か月以前の月経移動をお勧めします。
  • ご旅行などのイベント中で内服し忘れてしまう頻度が高く注意が必要です。また、時差のある海外旅行の方は24時間毎にきちんと服用しましょう。
 

②月経を早めたい場合

月経を予定よりも早める場合には、排卵日前、月経の3〜7日目から薬の服用を始めます。
10~14日間、内服を持続する必要があります。 服用を止めると2〜3日で月経が始まり、そこから5日間前後の月経が起こります。
イベントの日よりも前に月経が終わるよう、服用日数を調整しましょう。
早める場合についても、2週間以上早めるのは難しいです。  

月経を早めるメリット

  • イベントの日には薬を飲まないため、当日に副作用の心配はありません。
 

月経を早めるデメリット

  • 早めた月経がなかなか終わらず、イベントの日にかぶってしまう可能性があります。
  • 内服中止後、月経が1週間以上こない場合があります。
 

月経移動の副作用

月経移動に用いる中用量ピルは、低用量ピルに比べると女性ホルモンの含有量が多く、副作用を感じられる頻度も少し高いです。月経前に感じるような症状が多く出ます。

月経移動による副作用

  • 吐き気、嘔吐
  • 頭痛
  • 胸の張り
  • むくみ
  • 血栓症
  • 肌荒れ
吐き気に関しては、吐き気止めを使うか、寝る前に服用することでほとんどの方が対策できます。また、ピルの種類によって少し副作用が異なります。あらかじめご自身の体に合うピルの選択をしておくと、月経移動しやすいでしょう。

月経移動にかかる費用

月経移動に用いるピルのほか、副作用対策として吐き気止めも用意しております。
月経移動用ピル:税込3,900円
吐き気止め1錠:税込120円
 

月経移動ができない方

お持ちのご病気や生活習慣によっては、月経移動をおこなえないことがあります。
  • 血栓症になったことがある方
  • 高血圧の方
  • 乳がん治療中の方
  • 妊娠の可能性がある方
  • 35歳以上で喫煙する方
 

低用量ピルを服用されている場合

最近では、日頃から低用量ピルを服用されている方も増えています。
低用量ピルを服用されている場合は、低用量ピルを使って月経移動が可能です。

低用量ピルには、全ての錠剤に同じ量の女性ホルモンが含まれる1相性(マーベロン、ファボワールなど)、3段階に女性ホルモン量が調整されている3相性(トリキュラー、アンジュなど)など種類があり、種類によって月経移動の方法が異なります。

低用量ピルを服用中で月経移動をご希望の方は、お問い合わせください。

月経移動にまつわるQ&A

月経移動について、よく聞かれる質問にお答えします。

Q. 月経を早めるのと遅らせるのはどちらがいいの?

ピルによる副作用の有無や、月経を避けたい日と月経周期との関係を見て決めることになります。月経移動の成功率から考えると、遅らせる方がおすすめです。 「今日、明日にも月経が来る予定だけど、遅らせたい」など、あまりに急な場合はうまく月経移動ができない可能性が高くなります。 月経を避けたいイベントの日程が決まったら、お早めにご相談ください。遅くとも、月経開始の5日前までにお願いします。

Q. 月経移動する場合、いつ受診すればいいの?

初めての月経移動の場合は、イベントの2,3か月前の受診をおすすめしております。 服用に慣れている方は、1か月前でも可能です。 受験などの大切な用事を控えておられて、もし副作用が心配ということでしたら、事前に1度月経移動を試してみてもよいでしょう。 たとえば、1月〜2月の受験シーズンに月経移動をおこないたいのであれば、夏頃に一度お試しで月経移動をしてみます。問題なければ10月頃に再度受診し、本番の月経移動スケジュールを決めましょう。 早めに受診していただければ、もし副作用がつらく耐えられない場合にも、副作用が少しマイルドな低用量ピルを試す時間的な余裕もあり、安心できると思います。

Q. 月経周期が予測できない場合はどうしたらいい?

月経周期が不安定で全く予測できない場合、月経移動が失敗してしまうかもしれません。 どうしても、確実にイベントの日に月経を避けたいのであれば、低用量ピルを用いて月経周期を固定し、スケジュールを立てるのがよいのではないでしょうか。低用量ピル内服には事前に必要な検査がございます。 思い立ったら、早めの受診をお勧めしております。 また、20代になっても月経不順という方は、何らかの病気がある可能性も否定できませんので、一度検査にいらしてください。

Q. 薬を飲まずに月経を遅らせる方法はありますか?

ピルを使わずに月経を遅らせることは難しいです。 ピルの副作用にご不安があってためらっているのでしたら、まずはご相談ください。

Q. 学生(中学生・高校生)でも月経移動はできますか?

学生でも、月経が始まっているお子さんであれば月経移動は可能です。修学旅行や受験など、必要なときにご相談ください。 保護者の方の中には、「薬で月経を起こすなんて不自然なことをして、子どもの体に悪くないのか」と心配される方もおられます。 基本的に、自然にくる月経もピルで起こす月経も、変わりはありません。ピルを服用しても、女性ホルモンによって子宮内膜が厚くなって剥がれる、という一連の流れが自然な月経と同じように生じており、体にとっては、どちらの月経も同じです。 また、月経を移動させたあとは、普段と同程度の周期で自然な月経が再開します。  

まとめ

いろいろ書きましたが、月経は女性ホルモンバランスによって生じているので、月経を移動するには、それなりの配慮が必要です。詳しくは、婦人科医にお気軽にご相談ください。  

診療に関して

当クリニックでは、LINEドクターを使ったオンライン診療も受け付けております。


時間がない・遠方にいる等、ご来院が難しい方はオンライン診療をご利用下さい。

※土日祝日も診療しています。  


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白金高輪 海老根ウィメンズクリニック
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院長 海老根真由美

白金高輪海老根ウィメンズクリニック院長
海老根 真由美(えびね まゆみ)

産婦人科医師・医学博士

埼玉医科大学総合医療センター総合周産期母子医療センターでの講師および病棟医長の経験を積み、その後、順天堂大学で非常勤准教授として活躍。
2013年に白金高輪海老根ウィメンズクリニックを開院。
女性の人生の様々な段階に寄り添い、産前産後のカウンセリングや母親学級、母乳相談など多岐にわたる取り組みを行っています。更年期に起因する悩みにも対応し、デリケートなトラブルにも手厚いケアを提供しています。

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