第48回日本産婦人科手術学会
更新日:2025.10.08
2025年10月4日土曜日、第48回日本産科婦人科学会のランチョンセミナーで、「婦人科におけるモナリザタッチの有効性~モナリザタッチの導入後5年間の3000件の検討~」について、虎ノ門ヒルズフォーラムにてお話しさせていただきました。
今回のセミナーは、東京慈恵会医科大学産婦人科講座主任教授の岡本愛光教授から婦人科形成研究会に婦人科美容・形成についての内容を発表するというご依頼が理事長佐野仁美先生にありました。佐野仁美先生は、婦人科形成のエキスパート。佐野先生より上手な婦人科形成の手術を見たことがありません。また、「婦人科美容・形成の基礎手技」という日本で初めての婦人科形成の教科書を書かれており、2025年4月15日に改訂第2版も出版されております。婦人科形成研究会の理事をしていることから、外科手技ではないのですが、5年前に導入した膣レーザー「モナリザタッチ」の白金高輪海老根ウィメンズクリニックでの経験をお話させていただくことになりました。
座長の労をお取りいただいたのは、京都大学大学院医学研究科教授の万代昌紀先生でした。3日の岡本愛光教授の会長招宴で、初めてご挨拶をさせて頂いたときに、「先生は、全国の大学病院にモナリザタッチを導入するべきとお考えですか?」と質問されました。突然のその質問に、すぐにはうまく答えることができませんでした。
当クリニックで約6年前に導入したモナリザタッチという膣レーザーは、2015年に導入をある企業から勧められたことがありますが、その当時はアンチエイジングという言葉が好きではない、まだ若い女医でした。エイジングに逆らうことは、あまり好きではありませんでした。自然が一番と信じていました。しかしながら、本当に抗えない加齢を感じたときに、なんで老いを受け入れるつらさがわからなかったのだろう?と突然今までと違った考えが浮かびました。その後、佐野先生の勧めでモナリザタッチの施術を偶然受けることになり、自分に必要な医療機器だと認識しました。
自分の体感で、これは「絶対に女性の機能回復維持に必要!」と思ってから、すぐに「モナリザタッチ」を導入しました。この機器は承認医療機器なので、リースでの支払いが可能で、経済的な観点からも導入に全く迷いはありませんでした。ただし、今まで取り扱った経験の少ない自費診療の分野で、この治療の効果効能をどのように患者さんに伝えていくか、保険診療はあらかじめ価格が決まっているものですが、自費診療の場合のためどのような価格設定が適しているのか、実際にどのような適応で施術を行っていくのか、それをどのように患者様に知っていただくのか、とてもとても悩みました。この時から、医師や医療従事者だけでなく、多くの職種の方のサポートが必要になり、私を取り巻く環境は大きく変わりました。自費診療というのは、ビジネス感覚を医療を行いながら獲得しなければならず、医療ライターや美容ライター、デジタルマーケティングの専門家、金融機関、WebデザイナーやPR、ブランディングに関わる方から沢山のご意見をいただきました。どの患者様にも、どの職業の方にもモナリザタッチの良さを理解していただき、保険診療、自費診療に関わらず、良い医療を提供するための数限りないサポートを受けました。
そして、コロナの時代が到来し、患者様が通いにくい環境の中ほぼ同数の施術を受けに来てくださり、2025年10月7日現在3600件を超える患者様を施術させていただきました。このデータを医学会で発表するのは、とても勇気がいることでした。今まで私が知っている日本の医学会では自費診療に対する理解を得るのは難しく、保険収載できない診療はどこかに欠点がある治療ではないかと疑う習性が医師にはあると思います。大学を離れて10数年経った私が、それぞれの医師が納得できる内容の発表ができるのかとても心配でした。しかしながら、万代先生の温かい空気感のもと発表させていただけたことは、本当に感謝しかありません。
私の発表の内容は、
私のモナリザタッチ導入の経緯。
世界に見る性差医療の発展とGSMに対するモナリザタッチ治療の関連性。
モナリザタッチの原理。
モナリザタッチの適応と禁忌。
当クリニックにおける3600件の臨床データの解析。
2015年に日本とアメリカは同じ年に導入されました。GSM症状におけるモナリザタッチの施術は、アメリカでは比較的早い段階から、一般の方に受け入れられたように思います。日本は、比較的更年期の女性の悩みをオープンに話せる文化がないからか、その普及は速やかではないように感じます。しかしながら、一開業医である当クリニックに3600件も訪れて頂けるということは、確実なニーズが日本に存在すると思います。そして、実際にその悩みから解放されることを実感した患者様が訪れていただいている。
とてもうれしい現象です。
学会での確かな手応えと共に、さらなる臨床の実績を積み、より皆様に安心して提供できる確実な医療になるためのデータ収集と解析を行いたいと思っております。
私を信頼して来院していただいた患者様に心より感謝申し上げます。

白金高輪海老根ウィメンズクリニック院長
海老根 真由美(えびね まゆみ)
産婦人科医師・医学博士
埼玉医科大学総合医療センター総合周産期母子医療センターでの講師および病棟医長の経験を積み、その後、順天堂大学で非常勤准教授として活躍。
2013年に白金高輪海老根ウィメンズクリニックを開院。
女性の人生の様々な段階に寄り添い、産前産後のカウンセリングや母親学級、母乳相談など多岐にわたる取り組みを行っています。更年期に起因する悩みにも対応し、デリケートなトラブルにも手厚いケアを提供しています。