小陰唇縮小術はいつするのがいいですか?
更新日:2024.08.02
小陰唇縮小術をいつするのがいいと思いますか?
☆出産予定があるかないか
いつも婦人科医として答えていることは、分娩を予定しているか、分娩後かということ。出産を考えているということは、更年期より前のホルモンが良好な年齢であると思いますが、分娩、つまり経腟分娩をするときには、膣は直径約10㎝まで伸びることを想定しております。急に伸びた場合、裂傷が生じることがあるのですが、切除してある部分の組織が弱いことがあるので、出産時には主治医に情報を提供しておくことは重要なことだと思います。楔状に切開している場合は特に負荷がかかると裂傷となる可能性があると思います。会陰部と別の部分に裂傷ができると、その傷が大きくなること、また、縫合に関して経験が浅い医師が担当医になることもあるので、ぜひ、事前にお話しして下さい。話はずれますが、乳首の縮小術で母乳が出ないこともあるので、既往歴のある方には、助産師さんにもお話ししておくとトラブルが少なくなると思います。
☆外陰部の血流
外陰部の状況は、年齢とともに変わります。年齢とともに血流が減ってきて、創傷治癒が遅くなります。出産後、閉経に知数いてくると、外陰部の血流が低下することにより創傷治癒が遅れることがあります。特に閉経後に、傷の感染やヘルペスの発症をする例が多くあるので、注意が必要です。
☆外陰部のサイズ
小陰唇縮小術を希望される患者様の場合、小陰唇を小さく縮小したいという方がいらっしゃいます。小陰唇は膣口を湿潤にキープするのに常陽な臓器です。さらに、年齢とともに会陰部部位から小陰唇は小さくなってきます。年齢における形態の変化を考慮して、小陰唇は小さく切りすぎないように気を付けてください。のちに大きくする手術は非常に難しいです。
最近、小陰唇縮小術後の疼痛やヘルペス、術後感染症で受診される方がいらっしゃいます。小陰唇縮小術後のヘルペスの感染に最近4人の方が受診されました。形成外科で手術を行う場合、婦人科ではないため、事前の性病検査を行っていない場合があります。また、術後のトラブルが発生したときに、婦人科疾患に関連性がある場合、治療が婦人科でしかできない場合があります。
小陰唇縮小術希望の方は、産婦人科の主治医にまずご相談ください。
白金高輪海老根ウィメンズクリニック院長
海老根 真由美(えびね まゆみ)
産婦人科医師・医学博士
埼玉医科大学総合医療センター総合周産期母子医療センターでの講師および病棟医長の経験を積み、その後、順天堂大学で非常勤准教授として活躍。
2013年に白金高輪海老根ウィメンズクリニックを開院。
女性の人生の様々な段階に寄り添い、産前産後のカウンセリングや母親学級、母乳相談など多岐にわたる取り組みを行っています。更年期に起因する悩みにも対応し、デリケートなトラブルにも手厚いケアを提供しています。