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女性ホルモンにいい食事・食材・食品はありますか?

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私のファミリーは、母が栄養士、妹が薬剤師、私が医師という構成です。

生まれて間もない頃から、私たち姉妹がアトピー性皮膚炎だったことから、母親は約50年前から栄養学を学び始めました。私たちは有機野菜・低農薬の食品をとること、糖質や防腐剤や化学調味料を控えること、バランスの良い食品を摂取することを日常に教育を受けて参りました。

そのような思想を持ちながら、12年前にクリニックを開業し、7年前から妹が経営する「Y.A.Bar」(クリニックビル1階のレストラン)で健康に良いメニューを作成して、実際にお料理を提供してもらうようになりました。

医師・薬剤師・管理栄養士が監修するレストランです。

医師監修「身体も心も元気になれるレストランY.A.BAR」

医療は、病気の診断をして多種類の薬剤を使用して治療を行うものですが、それだけではよくならない病気や症状もたくさんあります。

特に、毎日摂取する栄養である食事は非常に大切です。

どの様な治療薬が患者様に適しているかと同じくらい、毎日どの食事を摂取すべきか考えております。アレルギーだけを言及するのであれば、除去食は言うまでもありません。

しかしながら、除去するという「引き算」の考え方から、もっとたくさん摂取するという「足し算」の考え方の方が、私の性に合っていると思います。除去食が過剰になると食べるものに偏りが生じ、バランスの良い栄養が十分に取れないことも不健康になると考えております。

日本は、「長寿の国」です。

そして、日本人のDNAに合った栄養が日本食には含まれているはず。日本に受け継がれた大切な日本食をぜひ提供したいものです。しかしながら、欧米化の食事も近年日本人に受け入れられており、おいしさを損なわずに日本と西洋の融合したお食事を提供することは大切だと思っています。

ご飯も食べたいけど、トーストも食べたいけど、パスタも食べたい。納豆も食べたいけれど、ヨーグルトも食べたい。どれも自然な欲求で、私も納得がいきます。様々な組み合わせを考えてお食事を提供したいものです。

 

女性ホルモンに良いお食事について

患者様から「女性ホルモンに良い食事・食材・食品はありますか?」と質問を受けることがあります。

その答えとして、まず大切なのは 低栄養にならないこと です。

低栄養状態は、女性ホルモンの分泌に深刻な影響を及ぼします。

低栄養が及ぼす影響

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低栄養が引き起こす主な影響は以下の通りです。

1.エストロゲン産生の低下

性腺刺激ホルモン放出ホルモン(GnRH)の分泌が低下し、卵巣からのエストロゲン産生が減少。これにより無月経や自律神経失調症状が出現します。
※性腺刺激ホルモン放出ホルモン(GnRH)とは、視床下部で分泌されるペプチドホルモンで、下垂体前葉を刺激して卵胞刺激ホルモン(FSH)と黄体形成ホルモン(LH)の分泌を促すホルモンです。

2.副腎皮質ホルモンの亢進

副腎皮質ホルモン分泌が亢進して、免疫力の低下やストレス耐性の低下、不安感が増すことがあります。
※副腎皮質ホルモンの亢進とは、副腎から分泌される副腎皮質ホルモン(コルチゾール)が過剰に分泌される病気で、別名をクッシング症候群といいます。

3.甲状腺機能の低下

甲状腺刺激ホルモンが低下し、甲状腺ホルモンが低下することにより基礎代謝が低下し、体温調節が難しくなり、疲労感や寒さを感じやすくなります。更年期の原因である低エストロゲン状態において、低栄養は症状をさらに悪化させます。

若い世代の女性ホルモン不足(例:摂食障害)

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摂食障害は、中学1年生から高校3年生での発生頻度は約1%とされ、「やせたい」という願望が原因で栄養不足に陥るケースがあります。この状態が続くと、

・脳内伝達物質の活性低下
・視床下部ホルモン分泌の異常

これにより、生命維持、生殖器の成長、骨形成に深刻な影響を与える場合があり、最悪の場合は命の危険に及ぶこともあります。特に、成長期には豊かな栄養摂取が不可欠です。

では、栄養とは?これが難しい。

人間の生命維持にまず大切なのが、炭水化物、たんぱく質、脂質、ビタミン、ミネラル。これが5大栄養素と呼ばれるものです。

女性ホルモンを支える5大栄養素

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1.炭水化物

生命維持に一番大切なのは炭水化物。

エネルギーになる「糖質」と消化吸収されずにエネルギーにならない「食物繊維」とに分けることができます。また、良い糖質とは消化吸収に時間がかかるでんぷんやほかの栄養素と組み合わさっている複合的な炭水化物。

特に日本人には、お米が優れた選択肢。

糖質と食物繊維を含むお米は、消化吸収が緩やかで血糖値の急上昇を防ぎます。また、鶏卵、牛乳、小麦。これらの食品を大量に摂取しないことは、アレルギーを発症させないためには重要です。

つまり、パン、パスタよりお米による炭水化物の摂取は理にかなっていると思います。そして、可能であれば白米より胚芽がついた胚芽米や玄米が望ましいと思います。

<良いお米の条件>
・有機肥料をたっぷり使用して栽培されたもの
・きれいな水で育てられたもの
・減農薬の栽培法で作られたもの

良いお米の定義は、栄養価が高いこと。
まず、栄養たっぷりの肥料で育つお米がいいです。田んぼの肥料量で、当たり前ですが育つお米の栄養価が変わります。可能な限り適切な量と質を兼ね備えた有機肥料で育ててもらいたいものです。

人間もまだ、宇宙食だけで生きることができないことがわかっている通り、化学肥料だけでは育った食物は、我々が生きていく栄養素が十分でないと思います。

次に、お米の生育に必須なのは良いお水。
人間にもきれいな水が必要ですので、お米にもきれいなお水で育てられてほしいものです。これは衛生面だけでなく、土壌の微生物の環境を保持するために必須です。

その次に、注意が必要なのは、農薬に関する知識。
作物に良い肥料を使用するには、有機肥料を微生物の力を借りてしっかり完熟(発酵)させ、豊かな栄養環境で作物を育てることは重要です。雑草を除去するための除草剤や、虫の駆除する農薬の使用は、発酵に必要な土壌の細菌叢を壊すことになります。豊かな有機肥料を使用し、必要最小限の減農薬で育てられたお米が、品質の良いお米だと思います。

土づくり10年といいますが、50年以上この仕事に携わっているナチュラルリンクの農家の方々には、感動を覚えます。

まず、良質のお米を摂取すること。日本人のDNAに適した炭水化物、たんぱく質、脂質、ビタミン、ミネラルの5大栄養素が含まれた、良質なお米を摂取することをお勧めしております。

2.たんぱく質

アミノ酸バランスの良い動物性・植物性食品を摂取しましょう。

動物性食品:魚介類(焼き魚、シラス、シシャモなど)、少量のお肉
植物性食品:大豆製品(納豆、豆腐、味噌、醤油)

日本人は古くから、たんぱく質を魚介と大豆、大豆製品である納豆やお豆腐、お味噌やお醤油から摂取しておりました。
日本食でよく見かける、シラスや焼き魚、シシャモなどの小魚によるタンパク質に具沢山のお味噌汁とごはん。完成度の高い日本食だなあと思います。

しかしながら、少しはお肉や卵などの動物性のたんぱく質を食べたいもの。お米と同様に可能な限り自然で成育された、バランスの良い、投薬の少ないお肉を摂取したいですね。

ナチュラルリンクの黒豚は、50年前より宮崎県の自然豊かな土地で育てられた牧草を独自のサイレージで発酵した餌で育てております。輸入された配合飼料は使用しておりません。

また、出荷前の抗生物質やホルモン剤は残留成分を食する可能性があるため、使用しておりません。過度の糖質を含む餌やホルモン剤使用していないため飼育に時間がかかりますが、このような良質なたんぱく質を摂取することは健康増進の一助になると思われます。

3.脂質

女性ホルモン(エストロゲン)はコレステロールを材料として合成されます。

良質な脂質とは

青魚(EPA・DHA)、オリーブオイル、酸化していない植物油

注意点

脂質は酸化を防ぐため、鮮度や保存状態を意識しましょう。

女性ホルモンは脂質つまりコレステロールから作られます。
このコレステロールは生体膜の原料でもあり、良い細胞を構成するには必須です。そして、脂質はエネルギー源となる炭水化物が足りないときに使われます。エストロゲンを産生するにはコレステロールが必要です。コレステロールはエストロゲンの前駆体であるプレグネノロンを経て最終的にエストロゲンに変換されます。

このため、良質な脂質を摂取することは大切です。青魚やオリーブオイルやサラダ油がお勧めです。植物油の摂取に関する注意点は、酸化しない油で食することです。

4.ビタミン

特にビタミンDやビタミンB群はホルモンの代謝をサポートします。有機肥料、減農薬で育てられた良質の野菜を積極的に摂取しましょう。

5.ミネラル

鉄、亜鉛、マグネシウムは、ホルモン生成や細胞機能の維持に重要です。有機肥料、減農薬で育てられた良質の野菜を積極的に摂取しましょう。

更年期以降の女性ホルモン補充

更年期以降は脂質からエストロゲンへの変換が難しくなるため、食品からエストロゲン様物質を摂取することが推奨されます。

大豆製品

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イソフラボン(植物性エストロゲン)は、エストロゲン受容体と結合し、似た作用をもたらします。

例:豆腐、納豆、豆乳

ベリー類

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ブルーベリーやラズベリーに含まれるフィトエストロゲンは、エストロゲンの働きをサポートすると考えられています。
更年期以降、体内で脂質からエストロゲンを作る機能が低下します。そのため、食品からエストロゲンに似た作用を持つ物質を摂取することが注目されています。

特に大豆食品は、植物性エストロゲンである「イソフラボン」を豊富に含むためおすすめです。イソフラボンは体内のエストロゲン受容体と結合し、エストロゲンと似た働きをする場合があります。豆腐、納豆、豆乳といった大豆製品を日常的に取り入れると良いでしょう。

また、ブルーベリーやラズベリーなどのベリー類にも「フィトエストロゲン」と呼ばれる植物性エストロゲンが含まれています。これらもエストロゲンの働きをサポートすると考えられ、食事に取り入れる価値があります。ただし、これら食品が持つエストロゲン作用は自然由来のため比較的穏やかです。

健康的な効果を期待するには、日本食を中心としたバランスの取れた食事と適切な摂取量を心がけることが大切です。お米、大豆だけでなく、味噌、酢、醤油。これら調味料も優秀です。

院長 海老根真由美

白金高輪海老根ウィメンズクリニック院長
海老根 真由美(えびね まゆみ)

産婦人科医師・医学博士

埼玉医科大学総合医療センター総合周産期母子医療センターでの講師および病棟医長の経験を積み、その後、順天堂大学で非常勤准教授として活躍。
2013年に白金高輪海老根ウィメンズクリニックを開院。
女性の人生の様々な段階に寄り添い、産前産後のカウンセリングや母親学級、母乳相談など多岐にわたる取り組みを行っています。更年期に起因する悩みにも対応し、デリケートなトラブルにも手厚いケアを提供しています。

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