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更年期に子宮筋腫が突然大きくなる!幹細胞培養上清液の膣内注射でエストロゲン上昇!?その影響は

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更年期を迎えた女性の多くは、膣の乾燥や違和感を訴えて受診します。

この時期にはエストロゲンの分泌が減少するため、子宮筋腫や子宮内膜症の症状が軽くなることが一般的です。しかし、最近驚くべき症例に遭遇しました。

子宮筋腫が突然大きくなった患者さん

ある患者さんは、以前から子宮筋腫があることは認識していましたが、突然筋腫が大きくなったことに気づき、診察に訪れました。

更年期の時期なのですが、子宮筋腫が大きくなる原因は女性ホルモンしかないなあと思い、半信半疑でホルモン検査を行ったところ、エストラジオール(エストロゲンの一種)の値が1000pg/mlを超えており、通常の排卵で上昇する5倍を示す、考えられないほどの高値でした。

一般的は女性で自然に上昇するとは考えにくいデータでした。どうして急に子宮筋腫が大きくなったのか、どうして考えられないくらい女性ホルモンが上昇するのか。

一番考えられるのは、ホルモン産生腫瘍が身体のどこかにあるのでは?と、とても悩みました。特に、ホルモン産生腫瘍を見出す所見は認められませんでした。

幹細胞培養上清液の膣内注射が原因か?

患者さんに、子宮筋腫が大きくなったことのきっかけが何かないかを訊きました。

本人曰く、幹細胞培養上清液の膣内注射が原因かもしれないというものでした。幹細胞培養上精液を膣内に注射することにより、膣外陰部の乾燥感がよくなるかもしれないということで、注射に踏み切ったようです。

その後、2週間のうちにみるみる子宮筋腫が大きくなったとのことでした。患者さんはすでに幹細胞培養液との関連を疑っていました。子宮筋腫が急速に増大し、膀胱が圧迫されるという症状も見られました。

採血の結果、エストラジオールは1070pg/mlという非常に高い数値を確認し、超音波検査でも筋腫の拡大が確認されました。

対策と治療結果

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腹部圧排と膀胱圧迫症状に苦しんでいる状況を少しでも緩和しようと、LH-RHアゴニスト(ホルモン治療薬)を使用しました。

その結果、3か月以内に子宮筋腫は縮小し、エストラジオールも5pg/ml未満まで低下しました。腹部症状は消失し、私も安堵しました。

幹細胞培養上清液の影響と未知の可能性

最近では、幹細胞培養上清液がどのように体内で作用するのかについて多くのことを考えさせられます。

細胞の刺激は若返り効果をもたらすとされていますが、その影響や使用方法は、まだ未知数です。

憶測にすぎませんが、幹細胞培養上精液が卵巣を刺激して、エストロゲンを急激に上昇させる可能性があることには驚きを隠せませんでした。幹細胞培養上精液がそこまで強い作用を持っているとは思いませんでしたが、エストラジオールのデータと患者さんの症状は一致しておりました。

投与は慎重に

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今回の経験から、子宮筋腫や子宮内膜症などのエストロゲンによって悪化する疾患を持つ患者さんには、幹細胞培養上清液の膣内投与は子宮卵巣に影響を与える可能性があり、慎重に行うべきだと学びました。

特に基礎疾患の有無を投与前に確認し、治療を行うことは重要であり、今後はより慎重な対応が求められるでしょう。

今後の展望

この事例は非常に興味深く、幹細胞培養液の未知の効果をさらに理解するための重要な教訓となりました。今後、さらに類似した症例を観察し、治療方法の改善に役立てたいと考えています。後日、また新たな知見をお伝えしたいと思います。

まとめ

幹細胞培養上清液は、今後も更年期の治療において注目される可能性がありますが、その使用には細心の注意が必要です。特に、子宮筋腫や子宮内膜症などエストロゲンに関連する疾患を持つ方には慎重な判断が求められるでしょう。

院長 海老根真由美

白金高輪海老根ウィメンズクリニック院長
海老根 真由美(えびね まゆみ)

産婦人科医師・医学博士

埼玉医科大学総合医療センター総合周産期母子医療センターでの講師および病棟医長の経験を積み、その後、順天堂大学で非常勤准教授として活躍。
2013年に白金高輪海老根ウィメンズクリニックを開院。
女性の人生の様々な段階に寄り添い、産前産後のカウンセリングや母親学級、母乳相談など多岐にわたる取り組みを行っています。更年期に起因する悩みにも対応し、デリケートなトラブルにも手厚いケアを提供しています。

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