「親子で受ける初潮外来」 初めての生理を“学びと安心”に変える新しい婦人科のかたち
更新日:2025.08.04
はじめての生理、戸惑いと不安の中で
「なぜ突然、血が出るの?」
「この眠気、だるさ、関係あるの?」
初潮を迎えたばかりの女の子にとって、体の中で起きている変化はわからないことだらけ。
そんな不安や疑問に、まっすぐ向き合える場所が「親子で受ける初潮外来」です。
目次
医師から説明を受けた女の子の表情が変わった日
ある日、初潮を迎えた中学生の女の子が来院されました。
初めての生理の報告とともに、月経困難症やPMSのような不調を訴えていました。
一対一で、次のように語りかけました。
「どんな場所で寝ると気持ちがいいかな?ふわふわで、あったかいところがいいよね。赤ちゃんも同じ。だから子宮の中にはふかふかのベッドが用意される。でも赤ちゃんの卵が来なかったら、そのベッドはいらなくなる。それが生理なんだよ。」
「どうして血が出るのか」
「なぜこんなに眠いのか」
女の子は、一つひとつの疑問に答えてもらい、体の変化がホルモンによるものだと理解することで、少し安心した様子で帰っていきました。
生理は“排出”ではなく“準備と整理”のサイクル
生理は、「不要になったものを出す」だけではありません。
それは、次の命を育てるためのサイクルの一部であり、子宮の健やかな営みです。
- 脳下垂体→卵巣→子宮という指令リレー
- 卵子を排卵し、赤ちゃんのための子宮内膜を整える
- 来なかったときは「いらなくなったベッド」として出す=生理

この「準備・受け入れ・整理」の繰り返しを、毎月行っているのです。
PMS(月経前症候群)は体の“調整期間”

黄体期と呼ばれる、生理前の時期。
この時期に起こるPMS(イライラ・むくみ・頭痛・眠気など)は、子宮を守り、血流を集めようとする生理的な反応でもあります。
- 子宮の揺れを抑えるために活動性が落ちる
- 水分保持→むくみ・腸の動き低下→便秘
- 脳もむくんで→頭痛やぼんやり感
これらの変化は、”エストロゲンとプロゲステロンというホルモンの仕業”なのです。
そう聞くと、自分の体にちょっとやさしくなれるかもしれません。
生理の痛みは「出産の準備運動」でもある

子宮が内膜を排出しようとする時、その動きは「小さな出産」にも似ています。
子宮の収縮による痛みは、決して意味のないものではなく、将来のための大切な経験。
「月経って不思議」
そんなふうに、前向きに受け止めてもらえるようサポートするのがこの外来です。
「親子で受ける初潮外来」でできること

- 医師が月経の仕組みをイラストや会話でやさしく説明
- PMSや生理痛の原因を科学的に伝える
- 保護者の同席で「家族で体を話せる空気」が育つ
- 内診なし・検査は希望に応じて
- 保険診療の対象(生理痛・周期異常・PMSなど)
父親の同席も可能。
お子さまの希望を尊重しながら、親子で一緒に受診できます。
保護者の声「診療として生理を学べたことが大きな経験に」

「初潮の衝撃に戸惑っていた娘が、一つ一つ不調の理由を説明してもらい、“プロゲステロンって面白い”と笑って帰ってきました。
私自身、思春期にこうした話を聞けていたら…と感じるほど、有意義な時間でした。」
このように、「悩み相談」ではなく、“診療として体を学べる時間”が、娘さんの心に確かな安心をもたらします。
まとめ|初潮は、親子で“学びなおす”チャンス

初潮は、「娘が初めて大人の体に近づく時」。
でもそれは同時に、家族みんなが女性の体を“学びなおす”機会でもあります。
「親子で婦人科に行く」
それは、決して特別なことではありません。
自分の体を大切にするために、自然な選択なのです。
ご予約について
「親子で受ける初潮外来」は、海老根ウィメンズクリニックで受け付けています。
予約制となっております。
【土日祝日も診療】全ての医師やスタッフは女性です。ご安心してご来院ください。
平日受診できない方に通院していただきやすいよう、毎朝8時30分から診療を受け付けています。
※最新の診療情報は「お知らせ」よりご確認ください
オンライン診療も対応しておりますので遠方の方やご来院が難しい方は是非ご利用ください。
オンライン診療も実施中

白金高輪海老根ウィメンズクリニック院長
海老根 真由美(えびね まゆみ)
産婦人科医師・医学博士
埼玉医科大学総合医療センター総合周産期母子医療センターでの講師および病棟医長の経験を積み、その後、順天堂大学で非常勤准教授として活躍。
2013年に白金高輪海老根ウィメンズクリニックを開院。
女性の人生の様々な段階に寄り添い、産前産後のカウンセリングや母親学級、母乳相談など多岐にわたる取り組みを行っています。更年期に起因する悩みにも対応し、デリケートなトラブルにも手厚いケアを提供しています。